メニュー

新型コロナウィルス(COVID-19)に対する一酸化窒素(NO)治療の効果
〜泌尿器科領域と絡めて〜

[2021.07.30]

日本国内でもワクチン接種が進みつつありますが、未だ東京都内のコロナ感染者数は増加傾向にあり、油断できない状況です。ワクチン接種と共に、引き続きしっかりと感染対策をしなければなりません。
そんな中、新しい論文が発表されました。カナダで開発されイスラエルで製造、販売された一酸化窒素(NO)点鼻薬についての報告です。一酸化窒素(NO)は泌尿器科領域でも使われるお薬です。一酸化窒素(NO)は細菌を殺す作用や血管拡張作用があり注目されております。
今回の報告は権威ある論文とは言えないため、情報の正確性には欠けるかもしれませんが、日本において少しでも光明のある情報ではないかと、今回は記事にまとめます。

◆目次◆

1 現在の新型コロナウイルス(COVID-19)の治療の現状
2 新しい新型コロナウイルス(COVID-19)に対する一酸化窒素(NO)点鼻薬とは
2.1 どのような患者に使うのか
2.2 どのような仕組みで効果があるのか
2.3 今後どのような形で使われていくのか

1 現在の新型コロナウイルス(COVID-19)の治療の現状

今までコロナウィルスの治療薬として、レムデジビル、デキサメタゾン、バリシチニブの3種類が用いられてきました。さらに、2021年7月「抗体カクテル療法」で使う2種類の薬が承認され、これが第4の治療薬として使われるようになりました。カクテル療法に使われる2種類の抗体が、コロナウィルスを体内の細胞へと侵入するのを防ぎ、ウィルスの増殖を防ぎ重症化をさせないという仕組みです。変異したウィルスにもどちらかの抗体が働くことで効果が得られるため、重症化する前の軽度から中症状の患者さんに用いることで効果が発揮されると言われます。

2 新しい新型コロナウイルス(COVID-19)に対する一酸化窒素(NO)点鼻薬とは

カナダの研究所で開発され、イスラエルで製造された一酸化窒素(NO)点鼻薬「Enovid」は、新型コロナウィルスを24時間で95%、72時間で99%減少させると報告されました。コロナウィルスは最初に鼻から入り込み、そこから肺に入ることで肺炎を引き起こします。一酸化窒素(NO)点鼻薬を鼻に噴霧することで、鼻に付着している新型コロナウィルスを死滅させ肺に入り込ませない、重症化を防ぐというものです。

2.1 どのような患者に使うのか

新型コロナウィルスが肺にまで入り込んでおらず、鼻から口の間にウィルスが留まっている軽症から中症状の人に効果があります。また、濃厚接触者やこれから発症する可能性のある人にも効果があります。確実に感染しているかわからないが、疑わしい段階で使用できるというのは、感染者を大幅に減らすと考えられます。

2.2 どのような仕組みで効果があるのか

新型コロナウィルスは鼻から侵入し、味覚障害や嗅覚障害、咳などの上気道障害を引き起こします。次第にウィルスが肺へと侵入することで肺炎を引き起こし重症化します。一酸化窒素(NO)はウィルスを死滅させる効果があり、血管を拡張させる働きもあります。一酸化窒素の効果を利用した「タダラフィル」は泌尿器科では前立腺肥大やED(勃起不全)の治療薬として用いられる薬です。泌尿器科医には非常に馴染みのあるお薬です。この一酸化窒素(NO)を上気道に蔓延させることによって血管拡張、抗菌、抗ウィルス作用が働き肺にまでウィルスが入り込むことを防ぎます。前述したように、濃厚接触者や感染の疑いがある人にも利用できるので、重症化を防ぐだけでなく、感染者そのものを減らすことも期待できます。またこの薬は局所療法のため、副作用が少なく合併症も起こりにくいのです。泌尿器科領域だけでなく現在一酸化窒素は非常に注目されております。

2.3 今後どのような形で使われていくのか

一酸化窒素(NO)点鼻薬「Enovid」は現在、治験段階のフェーズ2で、これからフェーズ3の段階に入っていくのですが、おそらく承認されるでしょう。イスラエルでは薬局で、$42で販売される予定です。
今後、日本国内においてもこのような治療薬が発売され、その普及と効果が期待されます。しかしながら、どのような薬ができたとしても、集団免疫獲得のために、ワクチン接種は必要不可欠です。ワクチンを打ちましょう。

今回は泌尿器科に関連した一酸化窒素(NO)が新型コロナウイルスに対抗できる薬となっていることをコラムにしてみました。今後も泌尿器科関連だけでなく、皆様が興味ある様々なことを書いていきたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。

東京泌尿器科クリニックでは、保険診療を中心とした診療を行ってます。
また、感染対策やプライバシー対策にも力を入れております。
泌尿器科のことでお悩みの際はお気軽にご受診下さい。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME