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尿が泡立つ・尿が臭う

泌尿器科を受診される患者さんの中で「尿が泡立つ」「尿の臭いが気になる」という患者さんが多くいらっしゃいます。普段とは違った尿が出ることで非常に不安を抱えていても、どこで相談して良いのかわからないとか、恥ずかしさからなかなか来院しにくいという方も多くいらっしゃると思います。この記事ではそんな方々のために尿の異常について詳しく説明していきます。なるべく専門用語は使わず書きました。少しでも不安を抱えている方や受診を迷っている方の参考になれば幸いです。

<目次>

1 尿が泡立つ原因
 1.1 尿にタンパクが含まれている
 1.2 尿の濃度が高い
 1.3 尿に細菌が感染している
 1.4 尿に糖が含まれている
2 尿が臭う原因
 2.1 尿が細菌に感染している
 2.2 尿にがん細胞が含まれている
 2.3 尿に糖が含まれている
3 必要な検査
 3.1 尿検査
 3.2 採血検査
 3.3 超音波(エコー)検査
4 診療費用

1. 尿が泡立つ原因

トイレをした後に尿がいつもより泡立っていると気にする方も多いと思います。実際には重篤な疾患であることは少ないのですが以下のような場合においては注意が必要です。尿が泡立つ期間が長いなどの症状がある方は大きな異常が隠れている場合があり、念のため専門のクリニックでの受診をおすすめしています。

1.1 尿にタンパクが含まれている

通常尿をした時に尿にタンパクが含まれるということはありません。尿にタンパクが含まれているということは腎臓のろ過する機能に何かしらの異常があってタンパクが漏れ出ていると考えられます。このように尿にタンパクが混じる場合、慢性糸球体腎炎、IgA腎症、ネフローゼ症候群などの腎疾患が原因として考えられます。ただ、正常な方でも尿タンパクが出る場合があります。

1.2 尿の濃度が高い

体の水分量が少ないと尿の濃度が高くなります。水分が不足するために尿が薄まらずに尿の濃度が高くなってしまうのです。尿の濃度が高く水分不足が行き過ぎると脱水症状にもなりますので、熱中症などにも注意が必要です。尿路結石予防などの泌尿器科の観点からも毎日1500 cc以上の水分摂取をすすめています。尿の適切な濃さは薄く黄色になるくらいが適切とされてます。黄色の濃さが強い場合には注意しましょう。尿の濃度が高い場合、アンモニア臭を訴える方が多くいらっしゃいます。

1.3 尿に細菌が感染している

尿に細菌が含まれている時は注意が必要になります。特に女性の場合は男性に比べて尿道が短いこともあり、簡単に膀胱に菌が入る可能性があります。細菌に感染していると尿が泡立ちやすくなります。男性の場合考えられる疾患としては尿道炎、急性細菌性前立腺炎などで、女性の場合は膀胱炎が考えられます。このような細菌感染の場合には抗生剤の投与で改善します。また、結石や腫瘍などの異物は細菌がつきやすいのでこのような疾患が原因で尿が泡立つ場合には結石や腫瘍を除去する治療が必要になります。結石や腫瘍の確認のためには超音波検査が非常に有用です。

1.4 尿に糖が含まれている

尿が泡立つ原因の中で一番考えられるものとして糖尿病があげられます。尿に糖が混じると泡立ちやすくなります。糖は本来腎臓で濾過されませんが,血液中の糖の濃度が高くなると漏れでてきて、泡立つ原因となります。採血で糖尿病の診断ができます。糖尿病が原因とわかった場合には糖尿病の治療を進めていきます。
泌尿器科の病気を検索する上で採血をする場合が多いのですが、採血で偶発的に発見された隠れ糖尿病の患者様は少なくないです。定期的に健診を行うことで、糖尿病の有無がわかります。定期的に健診を行いましょう。

2. 尿が臭う原因

尿をした時にいつもとは違う臭いがするとか、いつもよりも臭いがきついなと感じて不安になる方もいらっしゃいます。尿が臭う時には以下のようなことが原因である場合が多く、尿路に何かしらの異常がある場合がほとんどですので、気になる方は早めの受診をおすすめします。

2.1 尿が細菌に感染している

尿が何かしらの細菌に感染していると、泡立つこともありますし、臭いもでてきます。抗生物質の投与の治療を行います。また、上述した「尿が泡立つ」原因にもあるように結石や腫瘍などを原因とした場合にはそれに準じた治療を行います。

2.2 尿にがん細胞が含まれている

癌(がん)・悪性腫瘍が尿に含まれている場合にも尿が臭うことがあります。癌・悪性腫瘍の細胞は正常な組織とは違い壊れやすく脆いために、尿の通り道である膀胱や尿管、腎臓に癌があると少しの衝撃でも尿の中に漏れ出てしまうのです。検査で尿の中にがん細胞があると疑われた場合は、膀胱がん腎臓がん前立腺がんが考えられるので精密な検査をした後、がんの位置を同定しがん治療を行なっていきます。尿の中にがん細胞が見られた場合はほとんどの場合でどこかしらに本体の癌があります。逆に尿の通り道に癌があっても、尿の中に癌が出てこない場合は多々あります。なので尿の中にがん細胞が含まれるとなると、本腰を入れて検査をすすめていくことになります。

2.3 尿に糖が含まれている

尿に糖が含まれていると甘い臭いを発します。これは先ほどの尿が泡立つ原因と同様に糖尿病が考えられます。しかし尿が甘く臭う時にはかなりの量の糖が含まれている時なのですぐに糖尿病を疑い、近くのクリニックを受診してしっかりとした治療を行いましょう。当院でも糖尿病の検査治療を行うことは可能です。

3. 必要な検査

「尿が泡立つ・臭う」ときには上述したように様々な原因が考えられるため、以下の検査を行い、原因を特定した上で専門の医師と相談しながら治療をすすめていきましょう。

3.1 尿検査

尿検査では尿の中にタンパクやバイ菌が入っていないか、赤血球や白血球、がん細胞が含まれていないかを確認します。

3.2 採血検査

採血検査では体に炎症が起こっていないか、腎機能に異常が見られないかをみます。また、血糖値の高さも確認することができます。

3.3 超音波(エコー)検査

超音波(エコー)検査は体にゼリーを塗布し機械をあててみる、痛みを伴わない検査です。被曝もせず体に優しい検査になっています。この検査では腎臓、尿管、膀胱などにデキモノや石がないか、腎臓が腫大していたり萎縮していたりしないかなどを調べることができます。前立腺肥大や前立腺がんの鑑別も可能です。

4 診療費用

当院は基本的に保険診療です。
初診の診療費用は薬代を除き、およそ下記のようになります。(3割負担です)

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後

当院では常に泌尿器科の専門医がおりますので、「尿が泡立つ・臭う」と気になっている方や尿に対するトラブルを抱えている方は是非当院までご相談ください。当院の検査・治療は基本的に全て保険診療で行っております。是非お気軽にご相談ください。

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の外来診察を行なう。
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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