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頻尿、夜間頻尿の悩み・ストレスを感じている方

頻尿や夜間頻尿で悩んでおりストレスに感じている人は非常に多いです。頻尿、夜間頻尿をお持ちの方は生活の質が格段に落ちてしまいます。頻尿と呼ばれる症状は1時間に何回もトイレに行くことになるので仕事や勉強に集中できなくなります。旅行に行った時のバスなどで常にトイレを気にしなくてはいけないという方も多いです。夜間頻尿に関しては夜中に5、6回以上トイレに起きる人もいます。そうなると眠りが浅くなり睡眠の質も落ちてしまって翌日の活動に影響してきます。高齢者では転倒などのリスクも上がります。このように日常生活に支障をきたす頻尿、夜間頻尿は深刻ですぐに解決したいところですが、おしっこの悩みとなるとなかなか人に相談することができないために悩みを抱えストレスに感じている方が非常に多いのです。泌尿器科の中でも一番悩みが多いのが頻尿や夜間頻尿ではないかと思うほどこの問題は非常に深刻です。今回は頻尿、夜間頻尿に対して正しい知識と正しい解決方法をお伝えしたいと思います。

当院で受診される方は夜5、6回起きる方が0〜1回に減ったという患者さんも非常に多くいらっしゃいます。また、昼間の頻尿が気にならなくなったという方ももちろん多くいられます。是非お悩みの方は受診してください。また、頻尿や夜間頻尿の原因の裏には前立腺がん膀胱がん尿管結石などの怖い病気が隠れていることもあるので、そちらにも注意が必要です。

◆目次◆

1 頻尿・夜間頻尿とは
 1.1 日中の頻尿とは
 1.2 夜間頻尿とは
2 日中の頻尿の原因
 2.1 神経性頻尿
 2.2 過活動膀胱
 2.3 前立腺肥大症
 2.4 尿管結石
 2.5 膀胱炎
 2.6 膀胱癌
 2.7 大量の飲水
3 夜間頻尿の原因ついて
 3.1 前立腺肥大症
 3.2 夜間の過活動膀胱
 3.3 夜間多尿
4 頻尿・夜間頻尿の検査
 4.1 尿検査
 4.2 超音波検査
 4.3 採血検査
 4.4 排尿日誌
 4.5 尿流量動態検査
5 頻尿・夜間頻尿の治療
 5.1 前立腺肥大症
 5.2 過活動膀胱
 5.3 夜間多尿
 5.4 神経性頻尿
6 診療費用

1 頻尿・夜間頻尿とは

頻尿は昼間の頻尿と夜間の頻尿の二つに分けられます。その二つで原因が異なります。

1.1 日中の頻尿とは

起きている間に1日に8回以上おトイレに行くことを頻尿と言います。つまり、だいたい2時間に1回よりも多いペースでおトイレに行くことを頻尿と言うように定義されています。 頻尿があると日中の仕事にも集中できない、バスなどの公共交通を利用してもすぐに下車しなくてはならないなど非常に大きなストレスを抱えることになります。

1.2 夜間頻尿とは

夜間頻尿については50歳以上の男女の半数以上が患っていると言われております。寝ている間に1回以上トイレに起きることを夜間頻尿と言います。定義としては1回起きるだけでも夜間頻尿と言うのですが、診療している上で病的だと判断するのは2回以上とされています。1回くらいはおトイレに起きる人も少なくないかと思いますが、2回以上になると検査や治療が必要な夜間頻尿になるということです。夜間頻尿で起きると起きた後にすぐに眠れる場合は良いのですが眠れない方もたくさんおります。また一晩に5、6回起きる方もざらにいます。多い方だと8回以上起きる方もおります。そのような場合は確実に睡眠の質が低下しますし、高齢者であると転倒などの可能性も出てきて非常に危険です。高齢者の転倒はその後の寿命に繋がる場合もありますのでそのリスクはなるべく減らさなければいけません。

2 日中の頻尿の原因

2.1 神経性頻尿

30歳以下の若い方に多く見られます。尿検査や超音波検査、採血をしても何も異常はないのですが、職場や学校でのストレスが主な原因で頻尿になるパターンが多く、これを神経性頻尿と呼びます。原因がこれといって見つからないのですがストレスにより膀胱の中に尿を貯めこむ力が低下してしまっているのです。排尿日誌で1回の膀胱容量を測定してもらい診断します。

2.2 過活動膀胱

過活動膀胱というのはおしっこが我慢できなくなる状態があって、尚且つそこで頻尿になっている状態を言います。男性女性ともに見られます。男性の場合は前立腺肥大症を伴うことがほとんどです。女性は30歳以上で高齢になればなるほど過活動膀胱の割合が増えていきます。2021年現在800万人以上の過活動膀胱の患者様がいると言われています。最近ではよくテレビなどで宣伝されていて注目されている泌尿器科の病気の一つです。過活動膀胱は特に膀胱の中に異常があるわけではなく、採血や尿検査で異常があるわけではありません。一般的に高齢になると過活動膀胱の患者さんは増えてきます。高齢になり膀胱の筋肉が疲れてくることで神経が過敏になって少量の尿が溜まることでも反応し、排尿したいと感じるようになってしまうのです。つまり過活動膀胱は膀胱に尿が溜めることができなくなる蓄尿障害ということになります。

2.3 前立腺肥大症

前立腺が肥大することで尿の出が悪くなって膀胱の筋肉が頑張ってしまい膀胱の神経が過敏になることで頻尿につながります。50歳以上の男性に多く見られます。前立腺肥大症で頻尿になることも膀胱に尿を少量しか貯めれない状態であり、過活動膀胱と同様に蓄尿障害と分類されます。

2.4 尿管結石

尿管結石でも頻尿が起こります。尿管結石が尿管の下部にある場合、膀胱に刺激を与えて頻尿になります。

尿管結石からの頻尿の場合は片側の腰痛や残尿感といった症状も伴います。尿管結石からの頻尿の特徴は、急に頻尿になることです。前立腺肥大症や過活動膀胱はジワジワと年齢と共に頻尿の症状が出てきますが、尿管結石は結石が下部の尿管に挟まった瞬間から症状が起きるので、急に頻尿になったと感じるようになります。

2.5 膀胱炎

若い女性に多く見られ、膀胱に炎症が起こることで頻尿が起きます。排尿時痛や残尿感を伴います。血尿もみられることがあります。膀胱炎による頻尿も急に発症します。

2.6 膀胱癌

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膀胱がんの場合は膀胱のなかに悪性の腫瘍ができ、腫瘍が膀胱に刺激を与えて頻尿に繋がります。膀胱がんの主な症状は無症候性の肉眼的血尿と言われる、言うなれば「症状がないのに見てわかる血尿が出る症状」です。

2.7 大量の飲水

大量の飲水をすることで、もちろん尿もたくさん作られます。なのでこの場合は膀胱に溜められる尿量は正常なのに、尿の回数が多くなります

原因として、中枢性尿崩症や神経性の多飲などがあります。

3 夜間頻尿の原因ついて

3.1 前立腺肥大症

これは先述の通り昼間の頻尿と原因は同じです。前立腺肥大症からくる頻尿は膀胱に尿を貯められなくなる蓄尿障害です。前立腺がんが進行した場合、同様の症状が出ることがあります。

3.2 夜間の過活動膀胱

こちらも昼間の過活動膀胱で述べた通りの内容です。年齢とともに膀胱に尿が溜められなくなります。

3.3 夜間多尿

夜間頻尿の8割は夜間多尿が原因とされています。40歳前までの若い人は昼間に尿がたくさん作られて、夜に尿量が少ないというのが基本的な尿の作られ方です。年齢を重ねるごとに、また高血圧や糖尿病、心臓の病気や腎臓の病気などが加わってくると、徐々に昼間の尿量が減り、夜に尿量が増えていくシフトに移行していきます。夜間の尿量の割合が1日の尿量の総量の3割を超える場合に夜間多尿と呼びます。泌尿器科を頻尿で受診される方のほとんどが夜間多尿による夜間頻尿になっております。この夜間多尿を調べる検査には排尿日誌が非常に有効です。最近は排尿日誌を行わない泌尿器科も多いですが、私個人的な意見としては排尿日誌は頻尿の鑑別には必要不可欠な検査だと思います。

4 頻尿・夜間頻尿の検査

4.1 尿検査

尿検査は泌尿器科に必須の検査です。尿の通り道に癌細胞やバイ菌がないかを調べます。また赤血球や白血球が無いかも調べます。基本的には尿は無菌であり、白血球や赤血球は含まれません。なので、菌や白血球や赤血球が含まれていた場合は何らかの病気がある可能性があり詳しく調べる必要があります。

4.2 超音波検査

前立腺肥大症や膀胱内の腫瘤、尿管結石の有無を調べます。超音波検査は身体にゼリーを付けて器械を当てて行います。痛みを伴わず被曝もないので体に優しい検査です。

4.3 採血検査

体の中に炎症、貧血が起こっていないか腎臓機能、電解質バランスに問題がないかを調べます。また、前立腺がん検査のPSA採血も行います。

4.4 排尿日誌

先述の通り、頻尿には排尿日誌が非常に大事です。排尿日誌は頻尿には必須の検査になります。例えば昼間の頻尿の人の1回の尿量が50㏄以下なのかそれとも300㏄〜400㏄あるかどうかで頻尿の原因が異なってきます。50㏄以下であればその人は膀胱の中に尿が貯めることができない蓄尿障害ということになります。300㏄〜400㏄以上の尿量が毎回出て頻尿でなればその人飲水量が多いかホルモン異常があるのでは?ということになります。夜間の頻尿に対してもこの検査で1回の尿量がわかるので蓄尿障害なのかそれともただ単に夜間作られる尿量が多いのか(夜間多尿)を排尿日誌で知ることができます。当院では必要なキットを全てお渡しし、家庭で24時間尿の記録をしてもらいます。

4.5 尿流量動態検査

尿の勢いを測ります。トイレで尿をしていただき尿の増えるスピードで尿の勢いを測ります。1秒間に何ml出るかで勢いを測定し、尿の勢いがわかることで前立腺肥大症か神経因性膀胱かどうか診断することができます。当院ではこの検査を取り入れております。
尿を溜めて行う検査です。
当院の尿流量動態検査器と実際の結果用紙

5 頻尿・夜間頻尿の治療

5.1  前立腺肥大症

前立腺肥大症が原因の場合、基本的には内服薬でコントロールすることが可能です。詳しくは前立腺肥大症のページにも書いてありますが内服薬でもコントロールが難しい場合は手術治療に移行することがあります。

5.2 過活動膀胱

過活動膀胱が原因の場合、基本的に内服薬での治療が可能です。お薬の種類がたくさんありますのでその中で患者さんに合ったものを選んでいきます。最近ではボツリヌス毒素(ボトックス)を膀胱内に注入することで膀胱の神経が過敏になっているのを抑える治療も始まりました。この治療は2020年5月より保険適用となり当院でも行っております。内服薬で過活動膀胱による頻尿のコントロールが難しい場合の患者様に非常に効果が高い治療です。効き目が切れる時期を考えて4ヶ月に1回膀胱内にボツリヌス毒素(ボトックス)を注射させていただきます。

5.3 夜間多尿

夜間の尿量を減らす内服薬を寝る前に飲んでいただきます。この治療は非常に効果が高く患者さんのQOL(生活の質)を高めます。副作用として電解質バランスが崩れることがあり定期的に採血を行うことが必要です。この治療で5-6回夜間トイレに起きていた方が1回も起きなくなったと言われることも多くみられます

5.4 神経性頻尿

基本的に内服薬の治療でよくなります。お薬の力で膀胱の中に尿を貯められるようにします。若い方はストレスが原因となることも多いため、生活環境を変えることで神経性の頻尿が改善することもあります。

6 診療費用

当院は全て保険診療です。
初診の診療費用は薬代を除き、およそ下記のようになります。(3割負担です)

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後

当院は泌尿器科専門の保険診療を行ってるクリニックであり、プライバシー管理と感染予防対策を徹底しております。
老若男女気軽に受診出来る環境を整えております。
泌尿器科疾患でお悩みの方は是非お気軽に東京泌尿器科クリニックまでご受診下さい。

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の外来診察を行なう。
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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