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性病 (性行為感染症 STD)

自分が性病かもと思うととても怖いですよね。ここ最近若い世代での性病が増加しています。性病への関心や知識の乏しさから初期症状を見逃して感染を広げてしまっているかもしれません。症状がなくても性病にかかっている可能性があることも見過ごされてます。
また、性病かもと思っても病院に行くのが恥ずかしい、どこで相談していいのかわからないなどの理由から適切な治療を遠ざけてしまっているのかもしれません。今回、このページを読んでいただき性病に対する正しい検査や治療を知っていただき不安の解消になれば幸いです。あまり他言できない病気であることを理由に自費診療を希望する方もいらっしゃいますが、性行為感染症は保険が使用出来る病気です。当院では基本的に保険適用内の診療をしているので、3000円〜6000円程度、多くても1万円以内で検査治療できます。何かしら思い当たることがあればすぐに受診、相談されることをおすすめします。

◆目次◆

1 性病(性行為感染症)とは
2 クラミジア
 2.1 クラミジアの症状
 2.2 クラミジアの検査
 2.3 クラミジアの治療
3 淋菌感染
 3.1 淋菌感染の症状
 3.2 淋菌感染の検査
 3.3 淋菌感染の治療
4 梅毒
 4.1 梅毒の症状
 4.2 梅毒の検査
 4.3 実際梅毒の画像
 4.4 梅毒の治療
尖圭コンジローマ
 5.1 尖圭コンジローマの症状
 5.2 尖圭コンジローマの検査
 5.3 尖圭コンジローマの実際の画像
 5.4 尖圭コンジローマの治療
トリコモナス尿道炎
 6.1  トリコモナス尿道炎の症状
 6.2  トリコモナス尿道炎の検査
 6.3  トリコモナス尿道炎の治療
マイコプラズマ、ウレアプラズマ尿道炎
 7.1 マイコプラズマ、ウレアプラズマ尿道炎の症状
 7.2 マイコプラズマ、ウレアプラズマ尿道炎の検査
 7.3 マイコプラズマ、ウレアプラズマ尿道炎の治療
8 性器ヘルペス
 8.1 性器ヘルペスの症状
 8.2 性器ヘルペスの検査
 8.3 性器ヘルペスの治療
診療費用

1 性病(性行為感染症)とは

性行為をすることでうつる病気のことです。避妊をしていれば大丈夫ということではありません。キスやオーラルセックスでも感染することもあるので注意が必要です。以下に各性病に関しての症状、検査、治療について詳しく説明していきます。正しい知識を得て適切な場所で検査治療を行いましょう。

2 クラミジア

2.1 クラミジアの症状

クラミジア菌が感染することで起こります。性行為をしてから1〜2週間後に症状があらわれます。排尿時の痛み、違和感、かゆみ、性行為時の軽い痛みの他、まれに尿道から膿が出る人もいます。無症状の人が多いのも特徴的です。喉に感染すると喉の痛みを訴えます。
放っておくと男性の場合は精巣上体炎や尿道炎、女性の場合は卵管炎や子宮内膜炎などを引き起こし、悪化すると男女ともに不妊症の原因ともなりますので、早急な検査と治療が大切です。

2.2 クラミジアの検査

尿検査になります。喉の場合はうがい液の検査です。
尿検査からクラミジアPCR検査を行ってクラミジア菌がいるかを確認します。淋菌感染の場合の症状が似ているため淋菌のPCR検査を同時に行うことも多いです。女性の場合は膣のぬぐい液を取る検査を行いますが、基本的には婦人科の検査となります。

2.3 クラミジアの治療

検査結果が出るまでに3〜4日かかるので検査と同時に治療も行います。
抗生物質の内服薬を服用してもらいます。

3 淋菌感染

3.1 淋菌感染の症状

性行為後1週間程度で症状があらわれます。男女で症状の差があり男性の場合では排尿時の強い尿道の痛み、膿が出ることもあります。女性はおりものが増えたり不正出血が見られることもありますが、大半が無症状です。

3.2 淋菌感染の検査

尿検査からのPCR検査で淋菌を確認します。
こちらも検査結果が出るまでに数日要しますので、治療を同時に開始します。

3.3 淋菌感染の治療

抗生物質の点滴、もしくは筋肉注射を1回投与します。

4 梅毒

梅毒で亡くなる方は江戸時代には大勢いました。その後抗生剤の登場などにより梅毒は不治の病ではなくなり、日本での患者数は長年減少傾向にありました。ところが2000年以降急激に増加しています。理由は様々ですがもともと500人くらいだった患者数が5000人を超えている状況です。当院の大宮院でも1日2人ほど新規の患者様がいらっしゃるので非常に増えているのを実感します。

4.1梅毒の症状

梅毒の症状は感染してから数週間であらわれる第一期から、数年〜数十年後まで第3期までに及びます。感染してから3〜4ヶ月で痛みを伴わない潰瘍が陰部にできます。これを治療せずに放っておくと、潰瘍がなくなり全身に発疹があらわれます。最終的には腫瘍が全身にできて臓器に障害をもたらし死に至ることになります。

4.2梅毒の検査

採血検査をします。血液中の梅毒の抗体量を確認します。
項目としてはRPR抗体とTPHA抗体を測定します。
RPRは梅毒の現時点での活動を表します。
TPHAは一度梅毒にかかると生涯体内に残り続けます。

4.3実際梅毒の画像

症例①

20代男性 包皮が1週間前からえぐれたとのことで受診されました。痛みはありません。採血にてRPR、TPHA共に陽性で、抗生物質の投与を開始しました。2ヶ月経過し、採血にて治癒と判断しその後半年経過をみました。再発はみられておりません。

症例1の画像はこちら

症例②

40代男性。亀頭に痛みを伴わない出来物が出来ているとのことで受診されました。
採血にてRPRとTPHA共に陽性で、抗生物質を1ヶ月投与し、採血にて治癒と判断しました。半年経過をみて再発はみられませんでした。

症例2の画像はこちら

4.4梅毒の治療

梅毒の診療ガイドラインに沿って抗生剤を投与します。4週間投与した後、採血してRPR抗体量が減っているかを確認します。抗体量が最初の測定値の半分以下になるまで続けます。半分以下になったら治癒していると判断して、その後は再発がないか定期的に採血して確認します。
梅毒診療ガイドラインでは半年後までのフォローを推奨しております。
梅毒の症例数が日本全国にそこまでないのではっきりと断定は出来ませんが、当院の理事長伊勢呂の経験では、200例ほど梅毒の治療をし再発した方は1例もおりません。

5尖圭コンジローマ

5.1尖圭コンジローマの症状

性行為後8ヶ月から1年くらい経過したところで陰茎に鶏の鶏冠のようなできものができます。
陰茎以外にも陰嚢、肛門、隠毛部などに鶏のトサカのようなできものが一つないし複数できます。ここ最近では患者数が増加していて大宮院でも新規の患者様が1〜2人ほど来院されます。この病気のやっかいなところは再発しやすいということです。治療の仕方によっては受診時より悪化することもあるため、しっかりとした病院で適切な治療を受けることをおすすめします。

5.2尖圭コンジローマの検査

尖圭コンジローマは肉眼的に診断できるものですが、その上で組織を採取し顕微鏡で確認します。

5.3尖圭コンジローマの実際の画像

症例①

20代男性。1ヶ月前から陰茎の出来物に気付き受診されました尖圭コンジローマとの診断にて塗り薬を開始しました。1ヶ月後、一部の腫瘍が縮小しなかったため、電気メスにで切除。その後再発はみられておりません。

症例1の画像はこちら

症例②

40代男性 陰茎根部の出来物に半年前から気づき受診。尖圭コンジローマとの診断にて塗り薬を開始。3ヶ月程で完治しました。受診時に行ったクラミジア検査も陽性で、そちらの治療も行いました。

症例2の画像はこちら

症例③

20代男性。2週間前からの包皮の出来物に気づき受診されました。早めの治療を希望され、電気メスにて切除しました。その後再発はみられておりません。また、受診時での淋菌検査が陽性で、そちらも治療されました。

症例3の画像はこちら

5.4尖圭コンジローマの治療

薬を塗る

尖圭コンジローマに適応のある塗り薬を使用します。この外用薬を塗ることが再発率が一番低いとされています。
塗り薬が効かない方もいますので、3〜4週間経過しても小さくならないようでしたら外科的処置に切り替えます。基本的には16週間までが保険適用になります。

電気メスによる腫瘍切除術

電気メスを用いて腫瘍を切除します。腫瘍の場所と量によって治療出来ます。亀頭部には不向きです。
治癒切除が可能な孤立した腫瘍には適した治療です。
当院でも保険適用で行っています。

液体窒素による凍結術

出血も少なく、再発率が低い良好な治療です。残念ながら泌尿器科でこの治療法をやっているところは多くありません。当院では保険適用の治療として行っていましたが、残念ながら現在は行っておりません。再開の目処が立ち次第ご報告させて頂きます。

6 トリコモナス尿道炎

6.1 トリコモナス尿道炎の症状

女性は強いかゆみやおりものの色や変化など症状があるのですが、男性は無症状な方がほとんどです。そのため、パートナーの女性から告げられて検査に来られる男性が多いです。また性行為だけでなく不衛生な環境下での生活でも感染する場合があります。

6.2 トリコモナス尿道炎の検査

尿検査の尿培養検査で菌の確認をします。
トリコモナスが陽性になることはあまり多くありません。

6.3 トリコモナス尿道炎の治療

内服薬を10日間服用します。

7 マイコプラズマ、ウレアプラズマ尿道炎

7.1 マイコプラズマ、ウレアプラズマ尿道炎の症状

排尿時の痛みや膿などが出ます。無症状の場合もあります。

7.2 マイコプラズマ、ウレアプラズマ尿道炎の検査

保険適用ではないので検査はすすめていませんが、当院ではマイコプラズマに関しては自費診療9千円で尿検査をしています。ウレアプラズマはやっておりません。

7.3 マイコプラズマ、ウレアプラズマ尿道炎の治療

内服薬の服用をします。基本的にはニューキノロン系の内服を行います。

8 性器ヘルペス

8.1 性器ヘルペスの症状

性行為後2日〜1週間ほどで発症します。男性の場合は陰茎に、女子の場合は外陰部などにプツプツと水泡ができその後水泡が破れて腫れや痛みを伴います。ヘルペスウイルスは一度感染するとウィルスが体の中に潜伏し、免疫力が低下しているときなどに再発します。

性器ヘルペスの画像がこちら

8.2 性器ヘルペスの検査

血液検査でヘルペスウイルス抗体を調べます。ヘルペスウイルスの症状が出ていても抗体が陰性の場合もあります。

8.3 性器ヘルペスの治療

抗ウィルスヘルペス薬を投与します。治りが悪い場合には塗り薬の併用もします。

9 診療費用

初診 保険診療 3割負担の場合

※薬代は除く
※診療内容によって多少前後する場合があります。

病名 金額
クラミジア、淋菌 2000-4500円
梅毒 3000-4000円
尖圭コンジローマ
※電気メスによる治療
7000-9000円
性器ヘルペス 2000-4000円
トリコモナス尿道炎 2000-3000円
この記事を執筆した人
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の外来診察を行なう。
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

上野院

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