コンドームは意味がない!〜誰も知らない性病の真実・尖圭コンジロ ーマの恐ろしさ〜
1 はじめに
コンドームや避妊具をつけていれば性病に絶対に感染しないと思っていませんか?
そんな勘違いをしている⽅にぜひ知っていただきたい性病の真実をお伝えしようと思います。
2 コンドームは意味がない?⼀番怖い性病とは
年間30000 ⼈の患者様を診療させていただいており、様々な性病の患者様もいらっしゃいますが、泌尿器科専⾨医として⼀番怖いと思う性病は「尖圭コンジローマ」です。なぜかと⾔うと、尖圭コンジローマはコンドームを使⽤していても感染してしまうのです。そしてその病気⾃体、⾒た⽬もグロテスクであり、⼀度治っても再発しやすく、悩まれている⽅が⾮常に多いのが現状です。
3 尖圭コンジローマとは
尖圭コンジローマとは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染が原因で引き起こされる性⾏為感染症です。
ヒトパピローマウイルスは性交渉の経験がある⼥性であれば、50%以上が⽣涯で⼀度は感染すると⾔われているくらい⼀般的なウイルスです。感染してもほとんどはご⾃⾝の免疫の⼒で排除されますが、何らかの原因によってウイルスが残ってしまうと尖圭コンジローマや⼦宮頸がん、肛⾨がんなどを引き起こす原因となります。
ヒトパピローマウイルスの種類は⾮常に多く、100 種類以上が知られており、尖圭コンジローマの原因となる型はHPV6 型、11 型と⾔われています。⼥性の⼦宮頸がんの原因とされているものもヒトパピローマウイルスですが、16 型、18 型であると⾔われています。
4 尖圭コンジローマの症状
尖圭コンジローマを発症すると性器周辺に腫瘤ができます。「ニワトリのトサカ状」または「カリフラワー状」の腫瘤と表現されることが多いですが、痛みも痒みもないため、腫瘤が⼩さいうちはほとんどの⽅が気付きません。腫瘤は放っておくとどんどん⼤きくなり、数も増えていきます。
広範囲に発症し、性器の他、肛⾨周辺、お尻、太腿の付け根などに発症する可能性があります。
しかし、ヒトパピローマウイルスに感染しても全ての⽅が尖圭コンジローマを発症するわけではないため、ウイルスが体内に潜んだまま無意識のうちに相⼿に感染させてしまう恐れがあります。
5 なぜ、コンドームをしていても感染するのか
⼥性がヒトパピローマウイルスに感染していて初期の尖圭コンジローマを発症していたとしましょう。腫瘤は初期ではとても⼩さく、⼥性は気付いていませんが、性⾏為によってウイルスが作った腫瘤から細胞の塊がこぼれ落ちてしまうのです。たとえ陰茎にコンドームをつけていたとしても、その細胞の塊は陰茎の根部(根元)に付着してしまいます。そこで感染が成⽴してしまう恐れがあるため、陰茎だけを守るコンドームが意味をなさないのです。こうしたことから、陰茎の根元に尖圭コンジローマを発症した男性の診察をする事が⾮常に多いです。
6 尖圭コンジローマのさらに怖いところ
尖圭コンジローマの怖いところはまだあります。治療によって腫瘤だけを取り除いたとしても、ウイルスは体内に潜んでいて、免疫が弱った時などに再発してしまいます。再発率は⾼く、20〜30%と⾔われています。
7 感染を防ぐ⽅法
コンドームをしていても感染は防げないのならどうすればいいのか・・と思っている⽅、安⼼してください。避妊具にプラスして⾏うことで感染を防げる⽅法があります。
- 性⾏為が終わったら⽯鹸を使ってシャワーできれいに洗い流す
- 尿をして尿道を洗い流す
- うがいをして菌を洗い流す
「菌が⻑時間留まることで感染が成⽴」してしまいますので、感染が成⽴しないようにするためには「菌を⻑時間留まらせない様にする」事が⼤切です。
つまり、体液やこぼれ落ちた細胞が⻑時間そこに留まらないように、きれいに洗すという事です。これらのことは男性にも⼥性にも共通して⾔える事で、とても基本的な事ですが、⾼い確率で感染を防ぐ事ができます。
また尖圭コンジローマだけではなく、他の性病を予防する事にも繋がりますので、習慣付けることをお勧めいたします。
8 終わりに
性病を予防するには避妊具の正しい使⽤と、性⾏為が終わった後に体を清潔に保つという習慣が何より⼤切です。
性病を疑う症状のある⽅は、東京泌尿器科クリニック上野までご相談ください。
当院は患者様のプライバシーを守るため、全席にパーテーションを設けており、患者様をお名前ではなく受付番号でお呼びしております。どんなことでもお気軽に当院までご相談ください。